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【都市伝説】幽境の踊り場

この都市伝説「幽境の踊り場」は、階段に踊り場を有する大きめの建物で起きると言われている。

深夜の踊り場は死後の世界への入り口であり、深夜2時にその踊り場から上に上がることで「満足して死んだ人」と、逆に下に降りることで「未練を残して死んだ人」と出会えると噂されている。

 

 

実際に踊り場に立つと、背丈や体つき、目鼻立ちがはっきりしない、男とも女ともとれる人間かも分からない者が現れ、上に向かうか下に向かうかを指さし、それ以外の選択はできなくなってしまう。

 

自分では上に行くか下に行くかを選べない。

 

そして、この都市伝説では一つ大きな制約が存在しており「会える死者は選べない」という。

 

一度選んだ方向に進んだ者は、出会う死者たちは偶然に委ねられており、どの霊と出会うかは予測できず全くの他人と出会うことになる。

 

噂では上に向かう者たちは、満足して死んだ人と会うことが出来ると言われている。

 

上で出会うものは死後の世界で安らかな存在を築いており、出会うだけで特に何かされることも、してほしいことを言ってくるわけでもない、しなければいけない事も無い。

 

ただ話しをするだけなのだが、話込み過ぎて気が付くと出会った人の住む世界に行こうと誘われるので、現世に居たければ断らなければならない。

 

下を指し示されて進んだ者は、未練を残して死んだ者たちと出会う。

 

彼らは死んだときに様々な感情や未練を抱えており、現世に戻るための執着から出会ったものに憑りついてしまう。

 

憑りつかれた者は、憑りついた者が目に見え声も聞こえ、触れられる状態にまでなり、四六時中一緒にいる状態になってしまう。

 

ある者は虚空に向かって話しかけたりするため奇異の目で見られたり、常に見えるこの世に在らぬ者の存在の感情や未練を果たす為の囁きに耐えきれず、狂うか自死を選んでしまう。

 

また、深夜に踊り場に行ったという行為に対する「制約」により、霊能力者に頼み除霊や祈祷を頼んでも祓われる事も無い。

 

憑りついた者の制約を剥がすには「憑りついた者の名前を見つけて、声に出して呼び【あなたは死んでいる】」と言うだけだ。

 

憑りついた者は自分が死んでいる事に気づかず現世に縛られているので、自分の名を呼び死んでいる事を自覚させれば踊り場の制約は剥がれ、憑りついた者は強制的に天に昇る。

 

様々な感情や未練は憑りつかれた者には関係なく、晴らす必要すら無い。兎に角名前を探すことが重要になる。

 

ただ、憑りつかれた者は死者の名前を見つけることは至難で、名前を見つけるまでの間に時間が掛かりすぎると憑りついた者は徐々に変質し、憑りついた者の精神を蝕み死に至らしめてしまう。

 

この都市伝説は、死者との交流という神秘的な体験をすることが出来るが、安易に行うと取り返しのつかないことになるので注意したい。

 

尚、踊り場に現れる正体不明の存在は、楽に魂を刈り入れたい自堕落な「死神」だと言われている。

 

 

 

 

※全て嘘で全て偽

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