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【怪談】土蜘蛛の呪い

昔々、ある村に土蜘蛛の呪いがまとう怪奇な事件が起きた。

ある日、村に住む若い男が山深くに住まうと言われる土蜘蛛の巣を見つけ、興味本位で荒らしてしまった。

 

荒らされたことに後から気づいた土蜘蛛は、怒りに震え直ぐに殺してしまおうと考えたが、長く苦しんで死ぬように呪いをかけることにした。

 

土蜘蛛の呪いは遅効性で、男の身体は次々と異常な症状に襲われた。

 

まず最初に、男の体には赤く腫れ上がり蜘蛛の巣を模したような傷が胸を中心に現れ、徐々に手足に延びていく。それは激しい痛みを伴った。

 

次に、男は異常な高熱に苦しむようになり、体中が発熱し、まるで火の中にいるような感覚に襲われた。

 

その後、男は次第に体力を失い、食欲もなくなり、起きては意識を失うということを繰り返していた。

 

しかし、男が夜な夜な土蜘蛛に襲われるのは、まだ呪いの終わりでは無かった。

 

男の胸に広がった蜘蛛の巣には土蜘蛛の子供と思われる体格の小さい蜘蛛が数十匹、糸を出して自分を繭で包むという夢を毎日見るようになった。

 

そして、男は夢から覚めて起きても、手足が縛られたかのように動かなくなってしまった。

 

男の状況を知った家族は看病を続けたが快方には向かわず、看病をした母や父、男の嫁にも病が伝染したかのように同じ症状を患った。

 

やがて、村は恐怖に包まれ、人々は夜に外出するのを避け、家々ではお守りを掲げたり、祈祷師を呼んでお祓いを施したが一向に効果は無かった。

 

しかし、土蜘蛛の呪いはやまず、男の家族以外にも伝染し始め村人たちは絶望の淵に追いやられました。

 

村人の半数以上が呪いに感染したとある晩、土蜘蛛はけたたましい音を立てて現れた。

 

驚いて出てきた村人をよそに、土蜘蛛は呪いで動けなくなった人間を一人ずつ腹に収め平らげていった。

 

恐怖に震える村人に土蜘蛛は「我が巣を荒らした報い」「喰われたくなければ山深くまで入るな」と忠告したのち帰って行った。

 

村人たちは土蜘蛛が棲む山を恐れ、山に入らないことを村の掟として決めたが、恐ろしい蜘蛛が出る山の近くには住みたくないと村を出て行ってしまった。

 

村人は土蜘蛛の恐ろしさを他の人々に伝え、山に入らないように警告して回った。

 

そして数百年後、朝廷の命を受けた妖怪殺しの武勇伝を持つ侍に土蜘蛛は討たれたと噂が流れた。

 

討たれた際に割かれた腹からはおびただしい数の人骨が流れ出たと言う。

 

 

 

※全て嘘で全て偽

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