【オカルト】豆腐小僧の成り上がり
豆腐小僧の持つ豆腐に生えた青カビから抗生物質。
日本の田舎町に現れる豆腐小僧。
豆腐小僧は雨の日の夜に現れ、豆腐を食べろと進めてくる妖怪で、差し出された豆腐を食べると体がカビてしまうと言われている。
そこに目を付けたのは製薬会社で、豆腐小僧が現れるのを待ち、差し出された豆腐を研究員が身をもって食べカビを生やした。
体から生えたカビを採取、培養し作られた抗生物質の効果は従来の物とは一線を画した。大きなビジネスチャンスと見た製薬会社は豆腐小僧に契約を持ち掛けた。
豆腐小僧は製薬会社との提携を結び、定期的に良質な青カビを提供。製薬会社はそのカビを元に抗生物質を大量生産し始めた
この奇妙なコラボレーションのおかげで、各地方に出没する豆腐小僧たちは製薬会社と契約を結ぶことになる。
また、身体にカビを生えさせるアルバイトの募集は常に人気で、治験に並ぶほど盛況を博した。
ただ、豆腐小僧にとって、おかしい仕事もいくつかあった。
製薬会社との契約書には、奇妙な条項が含まれており、時々奇抜な要求が出されることがある。
あるときは、新種のカビを生やすよう迫られるのはまあわかる。人はいつも好奇心旺盛だと感心していた。
ただ、ある時は豆腐小僧が会社のPRイベントに参加することが求められ、ついには製薬会社のマスコットキャラクターになるように頼まれることもあった。
それが功を奏してか、今では一つ目の豆腐小僧を奇異の眼で見ることは無くなり、豆腐小僧は普通にカビの生えない豆腐を提供する豆腐店を経営し、更には他の豆腐小僧たちをも巻き込んで豆腐のチェーン店を展開するまでに成りあがっている。
今後、あなたの街にも豆腐小僧のチェーン店が現れるかもしれない。
※全て嘘で全て偽