【心霊】怨念は世代を超える!四谷怪談でも扱われる怨霊「累(かさね)」
四谷怪談で有名な「岩」と双璧を成す「累」について紹介しよう。
累(かさね)とは?
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[[File:ShunsenKasane.jpg|thumb|累
『絵本百物語』竹原春泉画]]
累は実際に居た人物の通称かつ、累の事件を題材にした戯曲の通称でもある。
下総国羽生村(現在の千葉県)に実在したとされる醜女「助」で、夫に殺された後、その怨念が一族にたたり、後に祐天上人の祈りによって成仏したとされる。
この物語は歌舞伎や浄瑠璃などの演劇に取り入れられ、「累物」と呼ばれる一系統を形成している。
累物(かさねもの)伝説
累物の伝説は、日本の伝統的な怪談話の一つで、江戸時代に広く流れた物語だ。
この物語は、醜い女性である累(かさね)という名の主人公が中心です。彼女は夫に殺害され、その怨念が一族にたたりますが、最終的には祐天上人の祈りによって成仏する内容となっている。
物語の始まりは、下総国羽生村(現在の茨城県常総市)に住む百姓・与右衛門とその後妻・お杉の夫婦がいた。
お杉には助という名の醜い娘がいましたが、与右衛門は助を嫌い、最終的には川に投げ捨てて殺害してしまう。
その後、お杉は累(るい)という女児をもうけるが、累は助に瓜二つの醜さだった。村人たちは累を「助が重ねて生まれてきたと」噂し「かさね」と呼んだ。
累は成長し、谷五郎という男と結婚しますが、彼もまた累の容姿を疎ましく思い、計画を立てて累を殺害してしまう。
その後、谷五郎は何人もの後妻を迎えますが、すべて死んでしまった。
そして、6人目の後妻との間に生まれた娘・菊に累の怨霊が取り憑いてしまう。菊は谷五郎の非道を暴露し、供養を求める。
この時、祐天上人が登場し、累の怨霊を成仏させるが、その後も菊には助の霊が取り憑いてしうまう。
祐天上人は再び介入し、助の霊も成仏させる。
この物語は、法蔵寺に累を弔った墓があり、現在も茨城県の指定文化財となっている。
累物の伝説は、歌舞伎や浄瑠璃などの演劇に取り入れられ、「累物」と呼ばれる一系統を形成した。
四代目鶴屋南北作の『色彩間苅豆』(いろもようちょっとかりまめ)や三遊亭円朝の怪談噺『真景累ヶ淵』など、多くの作品が生みだされた。
この物語の興味深い点は、実際に起こった事件に基づいているとされており、法蔵寺には、累の墓と祐天上人が解脱供養に用いたという数珠などが残されており、物語の実在性を示しているところだろう。
ただし、この物語自体も創作である可能性も指摘されている。
その理由としては、祐天上人が弘経寺に在寮していたことは史実だが『死霊解脱物語聞書』が宗派の拡大を目的に刊行された可能性も捨てきれないからだ。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ