【オカルト】犬が妖怪化した人にも家にも憑りつく「犬神」
繁栄も祟りも巻き起こす、西日本に伝わる犬の妖怪「犬神」について紹介しよう。
犬神とは
Sawaki Suushi (佐脇嵩之, Japanese, *1707, †1772) – scanned from ISBN 4-3360-4187-3., パブリック・ドメイン, リンクによる
[[ファイル:Suushi Inugami.jpg|thumb|佐脇嵩之『百怪図巻』より「犬神」]]
犬神(いぬがみ)は、日本の妖怪の一つで、主に西日本(四国を中心に)に伝承が残されている犬の姿をした神霊であり、人に憑依して悪さを働くと言われている。
犬神の正体は、死んだ犬の霊魂であるとも言われているが、実際の正体ははっきりとはわかっていない。
この言葉は平安時代から使われており、古くから人々に恐れられてきた。
犬神は、犬神持ちの家の納戸、床の下、水甕(みずがめ)の中に飼われていると説明されており、他の憑き物と同じく、喜怒哀楽の激しい情緒不安定な人間に憑きやすいとされ、胸の痛みや足・手の痛みを訴え、急に肩をゆすったり、犬のように吠えたりすると言われている。
犬神は人間だけでなく牛馬や無生物にも憑くことがあり、その憑きやすい家筋は蠱術を扱った術者や山伏、祈祷者、巫蠱などの血筋が伝承されたものであると考えられている。
犬神持ちの家は富み栄えるとされている一方で、敵対する人間や家には祟神として忌諱される場合がある。
犬神の起源
犬神(いぬがみ)の起源には諸説ある。
源頼政説
源頼政が鵺を退治した際、鵺の死体が4つに裂けて各地に飛び散り、そのうちの胴体の犬が阿波に落ちて犬神筋となったと言われている。
弘法大師説
弘法大師(空海)が猪除けに描いた犬の絵から生まれたとも言われている。
この説では、オリジナルの犬神は仏様の化身のような存在であるため、後世で人工的に作られた犬神とは異なる存在、いわゆる別物として扱われる。
犬を触媒にした生贄の儀式から誕生する説
犬神を作る製法として一番信憑性が高いとされるのが「蟲毒」だ。
大陸から渡ってきた「蟲毒」という呪法の犬版で、通常1つの壺に毒虫を複数いれ共食いさせ最後に残った1匹を呪術に使う方法だが、犬神を作る場合は複数の犬を争わせ共食いさせ、最後に残った一匹の首をはねて怨念を使役するというものだ。
実際に「犬蠱」とも呼ばれている。
犬神に憑りつかれた際に起こる各種症状で「水を怖がる」といった脳炎に合致する症状の伝承が残っていれば、狂犬病に掛かった人間の症状に一致するなと思ったり。
今現代の日本ではほぼ見られない狂犬病だが、一部の国を除き全世界で発生する病気だ。
日本最古の狂犬病の記録では1700年代の長崎だが、記録に残っていないだけで犬神の話が広がった平安時代にも狂犬病やその諸症状をもった人間はいたかもしれない。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ