【オカルト】静岡県に存在する七不思議「遠州七不思議|三度栗」
前回に引き続き静岡県遠州に伝わる7つの不思議について触れていきたいと思う。今回は「三度栗」についてだ。
遠州七不思議とは
遠州七不思議(えんしゅうななふしぎ)は、静岡県の遠州地方に伝わる七つの不思議な物語を指す。
これらの不思議な物語は地域によって異なるが、よく知られている物を紹介しよう。
夜泣き石(掛川市佐夜鹿、小夜の中山): 女性の泣き声が聞こえる石。
桜ヶ池の大蛇(御前崎市佐倉): 池に住む大蛇の伝説。
池の平の幻の池(浜松市天竜区水窪町池の平): 幻想的な池の物語。
子生まれ石(牧之原市西萩間、大興寺): 子どもが生まれると石が割れると言われる石。
三度栗(菊川市三沢): 三度叩くと栗が割れるという栗の伝説。
京丸牡丹(浜松市天竜区春野町): 牡丹の花が京丸の形をしているとされる。
波小僧(遠州灘): 海の波に現れる小僧の姿。
これらが良く知られているが、今回は「三度栗」について。
三度栗とは?
三度栗(さんどぐり)は、シナグリ(Castanea mollissima cv.)の一品種で、年に3回実をつけると言われている。
この現象は生理的な原因によって起こるもので、萌芽した株によく見られる。
ちなみに三度栗には伝説が各地に残っており、以下の地域で特に有名だ。
静岡県菊川市三沢の三度栗伝説
遠州七不思議の一つとされている伝説で、弘法大師空海が諸国巡礼の折、三沢村を通りかかったところ、子供たちがおいしそうに栗の実を食べていたという。
これを見た空海が自分にもひとつわけてくれないかと頼んだところ、子供たちは快く栗の実を差し出した。
喜んだ空海は、「これからは、この村に年に三度栗を成らすことにしよう」と言い、この地をあとにしたと伝えられており、栗を三度叩くと割れるとの言い伝えも残る。
静岡県周智郡森町園田の三度栗伝説
徳川家康にまつわる伝説です。家康は武田軍との戦いに敗れ、園田の地までたどり着いた。
一軒の農家の庭先で老婆に尋ねたところ、拾ってきたばかりの生栗を差し出された。
家康はこの栗を食べ、残った実一つを庭先の畑に埋めて、自分の食べた分だけ実るよう祈り去っていったという。
やがてその栗の木は年に3度実をつけるようになったとされている。
高知県高岡郡四万十町岩本寺の三度栗伝説
弘法大師空海が諸国巡礼の折、高い木に実る栗を取れずに泣いている子を見てかわいそうに思い、「うない児の とる栗三度実れかし 木も小さく いがもささずに」と詠んだと伝えられている。
以来、岩本寺の栗は年に3度実をつけると言われている。
新潟県阿賀野市保田焼栗山孝順寺の三度栗伝説
越後七不思議の一つで、親鸞にまつわるものだ。
親鸞が布教活動を行っていた当地で、老女が焼き栗を差し出した。
親鸞はこの栗を蒔いて、「我が勧むる弥陀の本願、末世に繁昌いたさば、この栗、根芽を生じて一年に三度咲き実るべし。葉は一葉にして二葉に分かれて繁茂せよ」と唱えたという。
その栗の木は年に3度実をつけ、葉の先は二つに分かれて茂るようになったとされている。
静岡と新潟に関しては話が似ていることも面白い。
実は他の地域にもある三度栗伝説
日本各地には似たような伝説がいくつか存在している。
岡山県真庭市の三度栗伝説: 真庭市には「三度栗」と呼ばれる栗の木があり、年に3度実をつけると言われている。
福岡県大川市の三度栗伝説: 大川市にも「三度栗伝説」があり、こちらの伝説では年に3度実をつける栗の木があるとされる。
長野県上田市の三度栗伝説: 上田市には「三度栗の松」と呼ばれる松の木がある。この松は年に3度実をつけると言われている。
これらの伝説は、地域ごとに異なる背景や伝承が残っているが「三度実が成る」特別視されていることが共通している。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ