今回は姫路城という日本が誇る城に隠れ住むと伝わる姫妖怪「長壁姫」を紹介しよう。
長壁姫とは?
Toriyama Sekien (鳥山石燕, Japanese, *1712, †1788) – scanned from ISBN 4-336-03386-2., パブリック・ドメイン, リンクによる
長壁姫(おさかべひめ)は、日本の妖怪で、姫路城に隠れ住むといわれる女性の妖怪だ。
文字は「長壁」の他に「刑部」とも書かれ、彼女はさまざまな伝承や物語に登場する。
江戸時代の怪談集『諸国百物語』では、「城ばけ物」と呼ばれ、男女を含むさまざまな姿で現れたとされている。
一つの伝承では、姫路城の天守で播磨姫路藩初代藩主・池田三左衛門輝政の病気平癒のため、加持祈禱をしていた比叡山の阿闍梨の前に、三十歳ほどの妖しい女性が現れ、退散を命じたという話が残っている。
しかし、逆に阿闍梨が叱咤すると、身の丈2丈(約6メートル)もの鬼神に変じ、阿闍梨を蹴り殺して消えたとされている。
また、別の伝承では、城主である秀勝が若侍に夜の天守の不審な灯りを確認しに行かせたところ、女性がいたと言われている。
秀勝が直接確認しに行ったところ、座頭が現れ、身の丈1丈ほどの鬼神に変じたが、気付けば秀勝は御座所にいたという不思議な出来事もあった。
長壁姫の正体は、老いたキツネ、井上内親王が息子である他戸親王との間に産んだ不義の子、伏見天皇が寵愛した女房の霊、姫路城のある姫山の神など、さまざまな説があるが確かな事は何一つわかっていない。
長壁姫の伝説
長壁姫には様々な伝説が残っている。
江戸時代から現代まで、彼女にまつわるさまざまなエピソードが伝えられているのでいくつかを紹介しよう。
宮本武蔵との対峙
剣豪として知られる宮本武蔵が、姫路城に住む長壁姫と対峙したという逸話がある。
武蔵は城主の命を受けて天守閣の怪異を調査し、長壁姫と出会い宝剣を授けられた伝説も残っている。
老媼茶話
江戸時代の奇談集『老媼茶話』では、猪苗代城の妖姫「亀姫」と同種の化け物として長壁姫が併記されている。
姫路城主の小姓が肝試しで天守に登った際に長壁姫に出会い、肝試しに来たことを正直に伝えると「兜のシコロ(兜の後頭部から首を守る部分)」を与えたと言われている。
現代の作品
現代の文学や漫画、アニメなどでも長壁姫は取り上げられており、例えば『ゲゲゲの鬼太郎』では亀姫と遊び友達として描かれていたりする。
長壁姫は姫路城の天守閣に棲んでいると言われ「城を守護するもの」「城の歴史と結びついたもの」様々いわれはあるが、確かな事は分かっていない。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ