笑い声で恐怖を感じさせる、笑い声で半死半生にさせる。現代にも普通に居るんじゃないかと思わせる妖怪「けらけら女」と「笑い女」を紹介しよう。
けらけら女(倩兮女)と笑い女は、日本の妖怪の一種で、どちらも笑い声が特徴的な妖怪だ。
けらけら女(倩兮女)
Tomikawa Fusanobu (富川房信, Japansese, *?, †?) – scanned from 978-4-336-02081-9., パブリック・ドメイン, リンクによる
けらけら女は、江戸時代の妖怪画家・鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた妖怪だ。
巨大な女性が塀越しに笑っている姿が特徴で、その笑い声が人々に恐怖を与えるとされている。
石燕の解説によると、楚の国の宋玉という文人が美女に誘惑される逸話に基づいており、多くの人を惑わせる淫婦の霊とされている。
けらけら女は、その巨大な姿と不気味な笑い声で人々を恐怖に陥れる。
特に、塀越しに突然現れるというシチュエーションが、驚きと恐怖を増加させる。
石燕の解説によると、楚の国の宋玉という文人が美女に誘惑される逸話に基づいており、多くの人を惑わせる淫婦の霊とされている。
けらけら女の概念は石燕以前にも存在しており、江戸時代の版本や絵草紙にもけらけらと笑う女の首が登場している。
昭和以降の解説では、人通りのない道を歩いている者に笑いかけて脅かす者として描かれている。
笑い女
不明 – “Anoyo Yōkai Onmyoji” (『あの世・妖怪・陰陽師』, Japanese book), パブリック・ドメイン, リンクによる
笑い女は、高知県に伝わる妖怪で、特に土佐国山北(現・高知県香南市)に伝わっている。
この妖怪は、特定の日に山に入ると遭遇し、その笑い声が周囲の石や植物、水、風までもが笑っているように感じさせると言われている。
笑い女に遭遇した者は、半死半生の状態になることもあると伝えられており、けらけら女よりも実害があるとされる。
江戸時代末期から明治時代初期の妖怪絵巻『土佐化物絵本』に記述があり、毎月1日、9日、17日に山に入ると遭遇し、その笑い声が周囲の石や植物、水、風までもが笑っているように感じさせると伝わる。
笑い女に遭遇した者は、半死半生の状態になることもあり、その恐ろしさは直接的な危険性を伴う妖怪と伝わっている。
また、笑い女は土佐の3大妖魔の一つとされており、地域の伝承や民話にも多く登場することから、けらけら女よりも危険度は高いと推測される。
どちらの妖怪も、笑い声が人々に強い影響を与える点で共通している。
ちなみに笑い声は楽しい・面白いを表現する方法だが、感じ方や受け取り方によって相手に羞恥心や疑心を植え付けてしまい、場合によっては死に至らしめる事もある。
このような目にあって死んでしまった人や死なせてしまった人の念が生み出した妖怪なのかもしれない。
笑うことは良い事でもあるが、時と場合を選ばなければあなたが妖怪になるかもしれない。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ