腕にいくつもの目を持つ女性の妖怪として登場する「百々目鬼」を紹介しよう。
百々目鬼とは
鳥山石燕 – スキャナで取り込みISBN 4-336-03386-2, パブリック・ドメイン, リンクによる
どどめき(百々目鬼)は、江戸時代の画家・鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に描かれている妖怪だ。
この妖怪は、腕に無数の目がある女性の姿をしているといわれている。
どどめきの由来
石燕の解説によると、どどめきは元々、手が長くて盗癖のある女性だった。
彼女は頻繁に銭を盗んでいたため、その腕に盗んだ銭の精が鳥の目となって現れ、無数の目ができたとされている。
この「鳥目」という言葉は、当時の銅銭の中央に穴が開いていることから来ており、銭の異名でもある。
名前の由来
「どどめき」という名前は、銅銭の異名と地名の文字から石燕が連想して創作したものと考えられている。
また、金銭のことを「おあし」とも呼ぶことから、「足が付く」という洒落も含まれている可能性がある。
現代の解釈
昭和以降の妖怪に関する書籍では、「とどめき」という表記がみられる。
また、腕にある数多くの目は、盗んだ銭が腕に貼りついて目に変化したものと解釈されることも多い。
どどめきは、言葉遊びや当時の文化背景を反映した興味深い妖怪とされている。
百百目鬼と百目の違い
百々目鬼(どどめき)と百目(ひゃくめ)は、どちらも体に多数の目を持つ妖怪ですが、いくつかの違いがある。
百々目鬼(どどめき)
出典: 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に登場。
特徴: 腕に無数の目がある女性の姿をしている。これは、盗んだ銭の精が腕に目として現れたものとされている。
由来: 盗癖のある女性が銭を盗み続けた結果、その銭の精が腕に目として現れたという伝説がある。
百目(ひゃくめ)
出典: 水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』などに登場するが、水木氏の創作である可能性が高い。
特徴: 体全体に百個の目がある妖怪です。目は頭から足先まで全身に分布している。
由来: 百目鬼(どうめき)という妖怪がモデルとされ、藤原秀郷の伝説に登場する鬼が元になっている。
主な違い
目の場所: 百々目鬼は腕に目が集中しているのに対し、百目は全身に目が分布している。
姿: 百々目鬼は人間の女性の姿を保っているのに対し、百目は肉塊のような形状で、どこが口や鼻かもわからない姿をしているとされる。
これらの違いを踏まえると、百々目鬼と百目は似ているようで異なる特徴を持つ妖怪であることがわかる。