【魔術・占い】歴史に刻まれた禁断の実在する魔導書10選
魔導書は古代から中世、そして近代にかけて、数多くの人々を魅了してきた書物だ。
魔術や呪術、悪魔召喚、未来予知など、その内容は神秘と恐怖に満ちている。多くの魔導書はフィクションだとされるが、実際に存在し、歴史に名を刻んだ書物も少なくない。
本記事では、歴史的背景が証明されている「実在する魔導書」を10冊紹介する。
それぞれの書物には、禁断の知識や魔術師たちの願望、そして時には破滅が込められている。
1. ソロモンの鍵
『ソロモンの鍵』は、15世紀ごろに書かれた魔導書で、古代イスラエルの王ソロモンが記したとされる。ソロモン王は、神から授かった知識を用いて72柱の悪魔を支配したと伝えられている。この書物には、悪魔召喚の手順や護符の作成方法、霊的存在との契約の儀式が詳細に記されている。
歴史的には、多くの写本が存在し、その中でも「レメゲトン」と呼ばれるバージョンが有名だ。
17世紀のオカルティストたちは、この書を用いて超自然的な力を得ようと試みた。
例えば、イギリスの魔術師ジョン・ディーやエドワード・ケリーは、この魔導書を参考に儀式を行ったとされている。
しかし、その内容は単なる呪文書ではなく、徹底した儀式的手順が求められる。護符を描く際には特定の時間や月の満ち欠け、さらには身体や精神の清浄さも必要だとされる。
魔術師が不完全な儀式を行った場合、悪魔に逆に支配されると警告されている。
現代でも『ソロモンの鍵』は魔術師やオカルト研究者にとって重要な資料であり、多くの解説書が出版されている。
2. アブラメリンの書
『アブラメリンの書』は15世紀にドイツで書かれた魔導書で、エジプトの賢者アブラメリンがユダヤ人の放浪者アブラハムに授けたとされる。
その内容は、護符の作成や悪魔との交渉方法、長期間にわたる瞑想と祈りを中心とした儀式について詳細に記されている。
この書物の最大の特徴は、18か月間の儀式を通じて「守護天使」との対話を可能にする点だ。
儀式を成功させた者は、天候を操る力や未来予知、さらには財宝発見の力を手に入れるとされる。しかし、その儀式は過酷であり、精神的・肉体的な苦行を伴う。
歴史的には、アレイスター・クロウリーがこの儀式を行おうと試みたことが有名だ。
彼は途中で儀式を放棄し、その結果、霊的な災厄が彼に降りかかったとされている。このエピソードは、『アブラメリンの書』の危険性と神秘性を現代に伝えるものだ。
3. 大奥義書(グラン・グリモワール)
『大奥義書(グラン・グリモワール)』は、19世紀にフランスで出版された魔導書だ。
内容には悪魔召喚や契約の手順、秘術、財宝の発見方法が含まれている。この書物は、「ルシフェル・ロフォカレ」という悪魔の使者を呼び出し、契約を結ぶ方法を詳細に記している。
特に、悪魔と交渉する際には「完全なる服従」と引き換えに莫大な富や知識が得られるとされている。しかし、その代償として魂を差し出すリスクが伴う。
この魔導書がどのように広まったのかは不明だが、19世紀のオカルティズムブームの中で急速に広まった。
特にナポレオン時代のフランスでは、貴族や高位聖職者たちがこの書物を密かに所有し、儀式を行ったとされている。
現在、『大奥義書』はオカルト研究者たちにとって貴重な資料であり、多くの復刻版が存在する。
4. 真正奥義書(グリモリウム・ヴェルム)
『真正奥義書(グリモリウム・ヴェルム)』は、18世紀に出版された魔導書だ。
内容には悪魔召喚の手順や護符の作成、願望成就のための秘術が記されている。特に、ルシファーやベルゼブブといった強力な悪魔との契約方法が詳細に書かれている点が特徴だ。
この書物は、特にフランスやイタリアで広く読まれた。多くの魔術師がこの書を参考にして儀式を行ったが、その結果、精神を病んだり、失踪した者も少なくない。
歴史的には、異端審問の記録にもこの書物に言及した記述が残されている。特に、魔術師が処刑される際にこの書物が証拠品として提出されることがあった。
現代では、復刻版や解説書が出版されており、オカルト愛好家たちにとって重要な研究対象となっている。
5. 教皇ホノリウスの奥義書
『教皇ホノリウスの奥義書』は17世紀にフランスで出版された魔導書だ。
教皇ホノリウス3世が著者とされているが、実際には教皇自身が書いたものではなく、後世の魔術師たちが彼の名前を借りて権威付けを行ったと考えられている。
この魔導書には、悪魔の召喚方法や使役の儀式、特定の願望を成就するための呪文が詳細に記されている。特に注目すべきは、悪魔と契約を結ぶための手順が非常に具体的に書かれている点だ。召喚儀式では、特定の日時や星の配置、道具の準備などが厳密に定められている。
歴史的には、中世から近世にかけて多くの魔術師がこの書物を使用したとされる。
特にカトリック教会においては、この書物を所持していた者は異端者として裁かれた。異端審問の記録には『教皇ホノリウスの奥義書』が証拠品として提出されている事例も存在する。
19世紀になると、この書物はフランスやイタリアのオカルティストたちの間で再び注目を集め、研究対象となった。
現代では再版が繰り返され、多くの解説書が出版されている。
6. 大アルベール
『大アルベール』は13世紀の神学者アルベルトゥス・マグヌスに帰せられる魔導書だ。
しかし、実際には彼の著作ではなく、後世の魔術師たちが彼の名声を利用して編纂したものだとされている。この書物は、自然魔術や占星術、薬草学、鉱物学に関する記述が中心だ。
内容としては、以下のようなテーマが取り上げられている。
- 自然魔術:植物や鉱物の持つ魔術的効果の解説
- 護符の作成:特定の効果を持つ護符の作成手順
- 占星術:星座や天体の動きによる未来予知
中世ヨーロッパでは、この書物は魔術書というよりも実用書として利用されていた。
恋愛成就や病気治療、豊穣祈願のために書かれた呪文や護符の作成方法は、一般庶民にも広がった。
『大アルベール』は、ルネサンス期には貴族や学者たちの間でも読まれ、オカルト知識を求める者たちにとって必須の書物となった。
現代でも、自然魔術や薬草学の分野において貴重な資料とされている。
7. 小アルベール
『小アルベール』は『大アルベール』の要約版として広まった魔導書だ。
13世紀のアルベルトゥス・マグヌスの名を借りているが、後世の編纂者が内容を簡略化し、より実用的に再構成したものだ。
この書物の特徴は、一般庶民でも理解しやすい形で護符の作成や簡単な呪文がまとめられている点だ。特に以下のテーマが目立つ。
- 恋愛成就:意中の相手を引き寄せる呪文
- 病気治療:植物や鉱石を用いた治療法
- 富の引き寄せ:金運を向上させる護符
中世ヨーロッパでは、『小アルベール』は市場や路地裏で広く販売され、多くの人々がその内容を実践した。庶民の間では「幸運をもたらす魔導書」として信じられた。
しかし、一方で教会側からは強く非難され、異端者として処刑された者もいる。
現代では、この書物はオカルト愛好家の間で人気が高く、特に自然魔術や護符作成に関する記述が評価されている。
8. モーセの第六・第七の書
『モーセの第六・第七の書』は、旧約聖書の預言者モーセが著したとされる魔導書だ。
この書物には、天使や悪魔との交信、奇跡の起こし方、呪文や護符の作成手順が記されている。
特に以下の内容が有名だ。
- 天使の召喚:天使と交信し、助力を得る方法
- 悪魔の使役:悪魔を召喚し、命令を下す儀式
- 護符の作成:特定の目的を達成するための護符
この魔導書は、18世紀にドイツで広まり、主にカバラやユダヤ教神秘主義に影響を受けている。特にカバラの秘術を理解しない者がこの書物を使用することは危険だとされている。
19世紀には、多くの魔術師や錬金術師たちがこの書物を研究し、儀式を実践した。現代では主にカバラ研究者やオカルティストの間で研究対象となっている。
9. ネクロノミコン
『ネクロノミコン』は、アラビアの狂える詩人アブドル・アルハズラットが記したとされる魔導書だ。
実際にはH.P.ラヴクラフトが創作した架空の書物だが、そのリアルさゆえに「実在する魔導書」と信じる人が後を絶たない。
内容と伝承
『ネクロノミコン』には、太古の邪神や異次元の存在を召喚する儀式や呪文が記されているとされる。特に「旧支配者」や「外なる神々」との契約や、禁断の力を得るための儀式が記されているという伝承がある。
歴史的背景
ラヴクラフトがこの書物を初めて言及したのは1924年の小説『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』だ。その後、複数の小説で言及されることで、その存在がリアルに感じられるようになった。さらに、多くの作家がこの設定を引き継ぎ、別々の解釈や続編が生まれた。
実在説と影響
20世紀後半には、『ネクロノミコン』が本当に存在するという都市伝説が広まった。一部の出版社は「ネクロノミコン」の名を冠した魔導書を出版し、多くのオカルト愛好家が手に入れようとした。特にサイモン版『ネクロノミコン』は世界的に有名だ。
しかし、ラヴクラフト自身が架空の書物であることを明言している。とはいえ、その神秘性や恐怖感から、現代でも魔導書として語り継がれている。
10. ガルドラボーク
『ガルドラボーク』は、16世紀のアイスランドで書かれた魔導書だ。
北欧魔術やルーン文字、呪文が集約されており、北欧文化圏における魔術の集大成とも言える書物だ。
内容
この書物には、以下のような魔術が記されている。
- 守護呪文:家や身体を守るための魔術
- 復讐の呪文:敵を呪うための秘術
- 豊穣の魔法:作物や家畜の繁栄を願う儀式
さらに、ルーン文字を使用した呪符(ルーンタリスマン)の作成方法が詳細に記されている。ルーン魔術は、自然界や精霊の力を借りて効果を発揮する。
歴史的背景
当時のアイスランドでは、キリスト教が主流であったものの、古代の北欧信仰や魔術が根強く残っていた。そのため、魔導書『ガルドラボーク』は密かに書かれ、限られた人々の間で伝えられた。
影響
アイスランド魔術は、他の西洋魔術とは異なり、自然や土地の精霊とのつながりを重視する。
そのため、『ガルドラボーク』は独自の存在感を放っている。現代では、北欧文化やルーン魔術を学ぶ者にとって必読の書物とされている。
まとめ
魔導書は単なる呪文や儀式の手引きではなく、人々の願望や恐怖、信仰が込められた文化遺産だ。
『ソロモンの鍵』や『アブラメリンの書』は悪魔召喚や守護天使との対話を目的とし、『大アルベール』や『ガルドラボーク』は自然や日常の問題解決を重視している。
また、ラヴクラフトが創造した『ネクロノミコン』のように、フィクションと現実が交錯することで、さらなる神秘性が生まれた。
どの魔導書も、単なる物語ではなく、人間の欲望や信仰、そして恐怖の記録でもある。
現代においても魔導書はオカルト愛好家や学者たちの間で研究され続けており、その神秘性は時代を超えて人々を引きつけ続けている。
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Posted by fake-lie-collection
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