【占い】トランプカードの人物は誰?歴史とオカルトの謎を読み解く
トランプに描かれたキングやクイーンには、実在した歴史上の人物がモデルになっているという説がある。
だがその真偽は定かでなく、長年にわたり謎とされてきた。さらに興味深いのは、これらの人物像にオカルト的な解釈が加わることで、単なるゲームカードが「神秘的な象徴」へと変わっていくことだ。
この記事では、トランプの歴史から各人物モデル、そして占いとの関係性までを深く掘り下げて解説する。
トランプカードの起源と構成を知る
トランプの起源は諸説あるが、最も有力とされるのは、イスラム圏から14世紀末のヨーロッパに伝わったという説だ。
紙を使った遊戯具として最初に確認されたのは、中国の「紙牌(チーパイ)」や、インドの「ガンジファカード」などである。これらがペルシャを経て西方に渡り、やがてフランスやイタリアの宮廷で貴族の遊びとして楽しまれるようになった。
トランプの基本構成は、4つのスート(ハート、ダイヤ、クラブ、スペード)にそれぞれ13枚ずつのカードがある。
ジャック、クイーン、キングの3枚の絵札が、プレイヤーの目を引くデザインとなっている。
さらにジョーカーという特別なカードが加えられることもある。こうした構成は、1年の52週や四季、13か月の暦などを象徴しており、既にこの段階で神秘的な設計思想があるとされている。
絵札に描かれた人物モデルとは
トランプの絵札には、それぞれ「歴史上の人物がモデルである」という説がある。この説は17世紀のフランスで広まったが、製作者によっては創作的なデザインであったとも言われており、学術的な裏付けは薄い。
しかし一部のカードは、実際の人物像と照らし合わせると一致点も多く、興味深い仮説が残っている。
例えば、ハートのキングは「カール大帝(シャルルマーニュ)」とされることが多い。西ローマ帝国を再興し、キリスト教をヨーロッパに根付かせた皇帝である。彼の威厳ある姿は、ハートのキングにふさわしい。
ダイヤのクイーンは、旧約聖書の「ラケル」がモデルとされる。ラケルは信仰深く、家庭的な女性であったとされており、金運や豊穣の象徴であるダイヤに対応する形となっている。
クラブのジャックはアレクサンドロス大王の将軍「ラ・イール」とも言われ、スペードのクイーンはアテナやジャンヌ・ダルクといった知性と戦略性を備えた女性がモデルという説もある。
とはいえ、これらのモデル説には異論も多く、同時代の記録には明言されていないケースがほとんどである。
つまり「モデルが誰か」を断定することは難しく、あくまで象徴的な存在として解釈するのが正しい姿勢である。
タロットカードとの関係と違い
トランプと混同されがちなカードに「タロット」がある。タロットはもともとゲーム用のカードとして15世紀イタリアで誕生したが、18世紀に入ってから神秘思想やオカルトと結びつき、現在では占い専用のカードとして広く知られている。
構造的な違いとして、タロットには78枚(大アルカナ22枚+小アルカナ56枚)があり、トランプよりもはるかに枚数が多く、象徴的な絵柄も豊富である。
トランプの13枚構成と比べると、より詳細な情報や深層心理を引き出すために設計されたような印象を受ける。
しかしトランプも、もともとはタロットの小アルカナに近い構造を持っており、その意味や象徴性を読み解くことで、占いやオカルト的な使用も可能となっている。
実際に、フランスやイギリスでは「トランプ占い(Cartomancy)」が長い伝統を持っている。
トランプの人物カードとオカルト的象徴
オカルトの視点では、トランプに描かれた人物たちは「霊的存在」や「象徴」として扱われる。
つまり、単なる歴史人物ではなく、人間の性格、運命、カルマといったものを象徴的に表しているという考え方だ。
たとえば、クラブのキングは「実行力と創造性」、スペードのクイーンは「精神的な試練と叡智」を象徴するとされる。ハートのジャックは「純粋な愛情」や「未成熟な恋心」、ダイヤのキングは「財力や地位の象徴」である。
オカルト的解釈によれば、これらのカードは単なるゲーム道具ではなく、使い手の波動や霊的エネルギーを受け取る“媒体”であり、カードを通して未来や潜在意識とつながることができるとされている。
トランプ占いの方法と注意点
トランプ占いは、道具もシンプルで手軽に始められるのが魅力だ。特に初心者には「ワンカード法」がおすすめで、以下の手順で行う。
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ジョーカーを除いた52枚をシャッフルする
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利き手と反対の手で1枚引く
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スート(柄)と数字の意味から状況を読み解く
スートは以下の意味を持つとされている。
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ハート:愛情、家庭、人間関係
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ダイヤ:金運、物質的成功
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クラブ:仕事、努力、成長
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スペード:試練、困難、学び
ただし、トランプ占いには注意点もある。心が不安定なときや、夜中の時間帯に行うと、無意識の領域と不調和を起こすことがある。
また、他人を無断で占うことは倫理的にも控えるべきである。
まとめ:トランプは神秘と歴史の交差点
トランプはゲームの道具として認知されているが、その起源や絵札のデザインには、神秘的かつ象徴的な意味が込められている。
人物モデルは歴史上の人物を基にしたとする説があり、その解釈は長らく議論されてきた。
さらに、タロットとの関係や占いへの応用を考えると、トランプは単なる遊具ではなく、人間の内面や運命を映し出す「鏡」としての役割も担っている。
オカルト的視点でその構造や象徴を読み解くことで、新たな知見と霊的洞察を得ることができるだろう。