【占い】タロット占いの起源とウェイト版・マルセイユ版の違い
タロット占いは、単なるカードゲームではなく、人の内面を映し出す鏡として今なお重宝されている。
特に「ウェイト版」と「マルセイユ版」は、世界中で使われ続ける代表的なタロットデッキだ。
それぞれの歴史と特徴を知ることで、より深いリーディングが可能になる。
タロット占いの起源は15世紀イタリア
タロットカードのルーツは15世紀のイタリアにあるとされる(諸説あり)。
最初は貴族たちが楽しんだ遊戯用カード「トライアンフィ」として登場した。占いに使われるようになったのは18世紀後半、フランスの神秘主義者たちがその象徴性に注目してからだ。
タロットには、もともと秘教的な意味はなかったという説もあるが、占い道具として発展するにつれて、ユダヤ神秘主義(カバラ)や占星術、錬金術とのつながりが深まった。
ウェイト版は初心者にも扱いやすい現代版タロット
ウェイト版は、1909年にアーサー・E・ウェイトが監修し、パメラ・C・スミスが絵を描いたデッキだ。「黄金の夜明け団」の神秘思想が背景にある。
このデッキの特徴は、小アルカナにも詳細な絵柄が描かれている点にある。視覚的な情報が豊富なので、初心者でも直感的にカードの意味を読み取りやすい。
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絵札に物語性がある
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象徴が多く、感情や状況が読みやすい
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解説本が多く、学習のハードルが低い
現代の多くのタロット講座や書籍はこのウェイト版をベースにしており、最も普及しているスタンダードなデッキといえる。
マルセイユ版は象徴と伝統に重きを置く
マルセイユ版は、17世紀のフランスで確立されたデザインがベースになっている。木版画を起源とした素朴な図柄と、象徴性に富んだ構成が特徴だ。
最大の特徴は、小アルカナに人物画や場面描写がなく、数字とスート(棒・剣・杯・金貨)だけで構成されている点にある。これにより、読み解く側の直感や経験が必要になる。
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解釈の幅が広く自由度が高い
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霊感や象徴理解を重視する上級者向け
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中世の神秘思想や秘儀的背景と結びつきが強い
デザインの素朴さの中に、深い洞察と精神性が隠されているのが魅力だ。
ウェイト版とマルセイユ版の違い
項目 | ウェイト版 | マルセイユ版 |
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小アルカナ | 絵柄ありで視覚的 | 数字とシンボルのみで抽象的 |
学びやすさ | 初心者向け | 中~上級者向け |
象徴の使い方 | 黄金の夜明け団の秘教を反映 | キリスト教・中世思想が背景 |
デザインスタイル | カラフルで現代的 | シンプルで古典的 |
どちらが良い悪いということではなく、使い手の目的とスタイルによって選ぶべきだ。
初心者におすすめなのはウェイト版
初心者には圧倒的にウェイト版がおすすめだ。理由は以下の通り。
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絵柄がわかりやすいので解釈に迷わない
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書籍や動画など、教材が圧倒的に多い
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小アルカナもストーリー性があり、感覚的に理解しやすい
最初の一歩として、ウェイト版でカードと親しみ、その後にマルセイユ版へと進むのが理想的だ。
タロット占いは象徴と対話の道具
タロット占いは、カードの意味を覚えるだけでは使いこなせない。そこに描かれた象徴と、自分自身の内面との対話が重要になる。
ウェイト版はその入口として、マルセイユ版はその奥深さとして、それぞれに役割がある。
どちらの道具も、「問い」と「気づき」を導き出す強力なツールだ。