【予言】エズラ記とは?祭司の占術・天使対話・ペルシャ魔術と黙示の秘密
「エズラ記」は、単なる旧約聖書の歴史書ではない。
この書には、天使との対話、未来を示す黙示、ペルシャ由来の秘術など、オカルト的要素が数多く埋め込まれている。
この記事では、エズラ記および外典「第四エズラ記」に含まれる神秘的な占術的要素を、歴史・宗教・オカルトの観点から紐解く。
エズラ記とは?歴史的背景とその重要性
エズラ記は、バビロン捕囚からの帰還を記録した歴史文書である。
紀元前6世紀、ユダヤ人は新バビロニア帝国によって故郷を追われたが、ペルシャ王キュロスの勅令によりエルサレムへの帰還と神殿再建が認められた。
この歴史的転換期に登場したのが、律法学者であり祭司であったエズラである。
彼は、民族の宗教的純粋性を取り戻すために律法を再確認し、異教徒との結婚を禁じ、宗教共同体としての再建を進めた。
その活動の背景には「神の言葉」に従うという強い理念があり、エズラ記の全体構成もその神意に基づく行動の連続である。
この書は、単なる史実の記録ではなく、「神の計画に基づいた民族再建のシナリオ」として読むべきものである。
祭司エズラとペルシャ魔術との関係
エズラは「律法の人」として知られているが、それだけでは説明がつかない神秘的側面を持っている。
彼は「書記」としても紹介されるが、当時の書記は単なる記録係ではなく、天文学や占星術に精通した知識人でもあった。
特にペルシャ帝国下の宮廷では、祭司階級の「マゴス」は天体観測・占術・夢解釈を行っていた。
エズラもまた、そのような文化に触れていた可能性が高い。
実際、彼の活動には以下のような“秘儀性”が見られる。
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神の律法を神託のように語る
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書記という立場で「神の言葉」を文書化する
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後述するように、天使との啓示的対話を行う
エズラは、宗教的知識だけでなく、古代の秘術や神秘学の素養を持っていたと考えられる。
黙示と占術の書「第四エズラ記」
「第四エズラ記」(別名:第二エズラ記)は、旧約聖書には収録されていないが、キリスト教の外典・偽典として知られる書である。
この書には、エズラが天使ウリエルと対話しながら黙示的な幻視を得る場面が描かれている。
特筆すべきは、その構成が完全に黙示録=啓示による未来の解読という形式である点だ。
エズラは「終末」「選ばれし者」「裁きの日」など、象徴に満ちたビジョンを受け取る。
具体的には以下のような内容が含まれる。
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ローマ帝国を象徴する鷲の幻
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火の川、葡萄の木など象徴的モチーフ
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神の沈黙に対する人間の問い
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天上界と地上界の距離と救済の可能性
これらは、象徴を読み解くという点で、現代のタロット占いや夢解釈とほぼ同じ構造を持っている。
第四エズラ記は、まぎれもなく黙示的占術書である。
天使ウリエルと対話した占い儀式
第四エズラ記において、エズラは単に神と接触するのではなく、儀式を経て交信を行う。
この点が極めてオカルト的である。
彼は天使と対話する前に、以下のような厳格な儀式を行っている。
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7日間の断食
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水や食物を断つ
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灰をかぶる
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口を閉じ、沈黙を守る
これらはまさに、霊的次元に達するための準備行為=浄化儀式と解釈できる。
儀式後、エズラは天使ウリエルと対話し、幻視の内容を得ていく。
重要なのは、これが**神の啓示という名の“占い”**として機能している点である。
エズラは、自らの問いに対して象徴や暗喩で返答され、それを解読して未来を知る。
これはまさに、占星術やカバラに通じる「神聖な占術行為」である。
エズラ記が現代オカルトに与えた影響
エズラ記と第四エズラ記は、現代オカルト思想にも大きな影響を与えている。
最も象徴的な例が、16世紀の魔術師ジョン・ディーである。
彼はエノク語という“天使の言葉”を通じて、天使と交信したとされる。
ジョン・ディーが使用した術式や象徴は、第四エズラ記の構造と非常に似通っている。
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天使との複数回の対話
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儀式を通じた啓示獲得
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幻視に現れる象徴の解読
また、フリーメイソンや薔薇十字団といった秘教結社においても、エズラ記やその周辺文献が引用される例が存在する。
「神の律法を記す者」「神秘と現実をつなぐ媒介者」としてのエズラは、オカルティストにとって理想的な存在である。
まとめ:聖なる書と占いの境界線
エズラ記は、単なる歴史書や宗教文書にとどまらない。
それは、神と対話し、象徴を解釈し、未来を見通す占術の書である。
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天使との交信 → 現代でいうチャネリング
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儀式 → 魔術・霊的浄化
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黙示 → 占いと同構造の象徴読み取り
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未来予測 → 啓示を通じた神意の理解
このように、エズラ記と第四エズラ記は、宗教・歴史・オカルトのすべてが交差する神秘文書である。
それゆえにこそ、古代から現代にいたるまで、秘教的思想家たちの関心を惹きつけてやまないのである。