【占い】占星術とノストラダムスの深い関係|予言者が用いた星読みの技術とは?
ノストラダムス(Michel de Nostredame)は、16世紀のフランスで活躍した医師であり予言者だ。
彼が著した『予言集(Les Prophéties)』には、暗号のように書かれた数多くの未来予言が収められている。
なかでも注目されているのが「占星術(アストロロジー)」を使った予知の技術だ。
占星術とは、天体の動きや星の位置から、個人の運命や社会の変化を読み取る技法。現代の星占いの元になった思想でもある。
この記事では、ノストラダムスがどのように占星術を用いて未来を予測していたのか、その方法や背景、そして現代への影響まで詳しく解説する。
占星術とノストラダムスの時代背景
16世紀フランスと神秘思想の時代
ノストラダムスが活躍した16世紀は、ヨーロッパ全体が大きな変革期を迎えていた。
ペストの流行や宗教改革、王政の変動など、未来への不安が社会全体に広がっていた。
その不安を和らげる手段として、民衆の間では「神秘思想」や「占い」が盛んに信じられていた。
科学と魔術の境界が曖昧だったこの時代において、星を読むことで未来を知る「占星術」は、王侯貴族から庶民にまで広く支持されていた。
ノストラダムスも医師としてペスト治療に従事する一方で、占星術を学び、天体の配置から社会の未来を読み解こうとした。
その背景には、星の運行を神の意志と捉えるキリスト教的思想があったことも大きい。
ノストラダムスが使った占星術の手法
ホロスコープとは?未来を読む「天の地図」
ノストラダムスは「ホロスコープ(星図)」を占星術の中心に据えていた。
ホロスコープとは、生まれた瞬間の空の星の位置を円形に描いた図で、その人の性格や運命、社会の動きを読み取るために使われる。
ノストラダムスは、予言を行う際に以下のような手順でホロスコープを作成していたとされる。
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出生日時と場所を計算し、天体の位置を算出
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黄道十二宮(おうどうじゅうにきゅう)の配置と惑星の角度を見る
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星と惑星の関係性(アスペクト)から出来事を予測
これにより、彼はある出来事がいつ、どのように起きるかを“星のメッセージ”として受け取っていた。
月の満ち欠けと惑星の配置も重要
特にノストラダムスは、月の満ち欠け(新月・満月)と土星や木星の位置を重視していた。
月は人間の感情や行動を左右するとされ、木星や土星の動きは国家や世界情勢に大きな影響を与えると信じられていた。
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満月:感情の爆発、事件の発生を示唆
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新月:物事の始まり、変化の兆し
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土星と木星の会合:王の死、戦争の前兆
このように、星の配置だけでなく、月や惑星の流れを組み合わせて未来を導き出すのが、ノストラダムスの占星術の特徴だった。
ノストラダムスの予言の仕組み
象徴と暗号で綴られた「詩」
ノストラダムスの予言は、すべて「四行詩(カトレン)」という短い詩の形式で書かれている。
これは当時の検閲を避けるためでもあり、同時に占星術的な暗喩や象徴を込めるための手法でもあった。
例えば…
「空を裂く双子の鳥」 → 飛行機によるテロ(9.11)と解釈されることがある
「火の雨が都市を包む」 → 核兵器や大火災の象徴とされる
これらはあくまで解釈のひとつにすぎないが、象徴的な表現によって、読む人が「自らの現実にあてはめて考える」余地を残していたのだ。
予言で読み取れる内容とは?
ノストラダムスの占星術によって予知された内容は多岐にわたる。
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王族の死去や政変(ルイ16世の処刑など)
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自然災害(リスボン大地震)
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世界戦争(第一次・第二次世界大戦)
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宗教の混乱と新しい時代の到来
星の位置から「大きな変化が近いこと」を読み取り、それを詩の形で人々に伝えていた。
このような手法は、現代の災害予測や金融占星術などにも通じている。
現代に生きるノストラダムスの影響
今の占星術にも通じる考え方
ノストラダムスの占星術は、現代でも応用されている。特に以下のような分野で彼の手法がベースとなっている。
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未来予知型の占星術:星の動きからイベントの発生を予測
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心理占星術:ホロスコープから心の傾向やトラウマを分析
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時期読み(トランジット):今後の運命の転機を予測
ノストラダムスのように、天と地、人の運命をつなぐ“橋”として星を読む占星術は、今も進化を続けながら受け継がれている。
まとめ|星を読む力が時代を超えて語りかける
ノストラダムスは、ただの予言者ではなく、「星の動きを通じて未来を読む知性」を持った占星術師だった。
彼のホロスコープ分析や象徴詩は、現代でも研究され、読み継がれている。
星を読み、詩にし、時代に伝える。
そんな彼の姿勢は、今を生きる私たちにも「未来をどう見つめるか」を問いかけてくるのだ。