今回から7回に渡り静岡県遠州に伝わる7つの不思議について触れていきたいと思う。今回は「夜泣き石」についてだ。
遠州七不思議とは
遠州七不思議(えんしゅうななふしぎ)は、静岡県の遠州地方に伝わる七つの不思議な物語を指す。
これらの不思議な物語は地域によって異なるが、よく知られている物を紹介しよう。
夜泣き石(掛川市佐夜鹿、小夜の中山): 女性の泣き声が聞こえる石。
桜ヶ池の大蛇(御前崎市佐倉): 池に住む大蛇の伝説。
池の平の幻の池(浜松市天竜区水窪町池の平): 幻想的な池の物語。
子生まれ石(牧之原市西萩間、大興寺): 子どもが生まれると石が割れると言われる石。
三度栗(菊川市三沢): 三度叩くと栗が割れるという栗の伝説。
京丸牡丹(浜松市天竜区春野町): 牡丹の花が京丸の形をしているとされる。
波小僧(遠州灘): 海の波に現れる小僧の姿。
これらが良く知られているが、今回は「夜泣き石」について。
夜泣き石とは?
Toriyama Sekien (鳥山石燕, Japanese, *1712, †1788) – scanned from ISBN 4-336-03386-2., パブリック・ドメイン, リンクによる
夜泣き石(小夜の中山)は、静岡県掛川市佐夜鹿の小夜の中山峠にある石で、夜になると泣くという伝説がある。(地図上では「佐夜の中山」表記)
その昔、久延寺に安産祈願に訪れた身重の妊婦が中山峠を越える途中に産気づき、轟業右衛門という山賊が介抱したが、妊婦が金を持っている事に気づき斬殺され命を落としてしまった。
しかし、お腹の切り口から生まれた赤ん坊は無事だった。
母の魂は丸石に取り憑いて夜毎に泣くため、この石は「夜泣き石」と呼ばれるようになった。
伝説によれば、この石は夜になると泣き声を発すると言われており、その泣き声を聞くことができるかどうかを確かめるために、夜になって石を訪れる人もいるそうだ。
実際に久延寺境内には「子育て観音」と呼ばれる本尊もあり、お腹から出てきた子供を寺の和尚が飴で育てたことから「子育て飴」として知られる琥珀色の水飴も名物となっている。
※全て嘘で全て偽、信じるかはアナタ次第だ