【オカルト】電線を渡り歩く怪異

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ある町に昭和時代の頃から噂されるようになった怪異の話がある。

その町では、電線の中を通り、家を渡り歩くという怪異の噂が広まった。

その怪異は、昼夜問わずに電線を移動し家々を回り、様々な電気に関わる現象を起こしたと言う。

 

ある晩、町の外れに住む老婆が、夜中に異変に気付いた。

 

彼女の家では裸電球が一つ居間についていたのだが、触ってもいないのに突然光出した。

 

老婆は今までなかった光景に恐れを抱きながらも、何かの間違いかと何度か電球をつけなおしてみた。

 

だが、それをあざ笑うかのように触っても居ない電球は明滅を繰り返し、しまいには手に持った電球までもが発光し老婆は腰を抜かしてしまった。

 

その怪異は数日過ぎると何事もなかったように静まり、どこかへと消えていったと言われる。

 

その後、町の人々は異変に気付き始めた。

 

電気が突然消えたり、テレビやラジオが雑音を拾いだし、雑音の中にわずかに人の声が乗っていたりと。

 

そして、その異変と共に、怪異の姿が目撃されることが増えていった。

 

ある晩、町の中心部の大富豪の家で、その怪異が突如として現れた。

 

その姿はテレビ画面に映り、かろうじて人の姿と認識できるもので有った。驚いた家主がテレビのスイッチを消すも、画面は消えずに映った人物は笑い続けていたらしい。

 

恐ろしくなった家主は慌てて外に出ると、光が漏れるカーテン越しに人とも思えぬほど背が高い人影が映し出され、急に細くなったかと思うと一瞬で消えた。

 

その直後、家に繋がる電線に火花が散り、繋がる先の電線も次々に火花を散らしながら遠ざかって行ったという。

 

話を聞いた町の人々は恐怖に震えながら、自宅に引きこもり、一部では電線を取り外すことまでしだした。

 

数日間そのように対処したからなのか分からないが、怪異の噂は出てこなくなった。

 

以来、町の人々は電線を通る怪異の存在を恐れたが、時が経つにつれその怪異があったことは忘れてしまった。

 

ただ、ネット全盛のこの時代、LANケーブルやWIFIを通じてパソコンやスマホの中に入り込み、怪異を巻き起こすことがでてくるかもしれない。