【妖怪】嫌われ垢嘗、現代ではカウンセラーとして大活躍

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昔々、ある町に「垢舐め妖怪」と呼ばれる不思議な存在が住んでいた。

この妖怪は「古今百物語評判」という本に「垢ねぶり」の名で登場し、古く汚い風呂場や汚れの溜まった廃屋に現れ、そこに溜まった垢などを舐める特異な習性を持ってた。

町人たちはこの妖怪が風呂場に忍び込んで垢を舐めているという噂を耳にして不安に陥れられたが、時が経つにつれ人に実害は無く、むしろ汚れたところを綺麗にしてくれるお掃除妖怪として受け入れられる様になった。

 

そして現代、妖怪「垢嘗」は自分の仕事の場を垢で汚れた風呂場や廃屋などから離れ、汚れの「垢」の言葉が転じ、人間の心に溜まった汚れ、煩悩を取り除く神出鬼没の心理カウンセラーとなっている。

 

現代人の仕事によるストレス、人間関係から生まれる暗い心の汚れや煩悩を、風呂場の垢を舐めとるが如くたっぷりネップリ言葉でねぶり溶かして綺麗にしていく様を、カウンセリングに掛かった人間は総じて「こころのケア妖怪」と呼び、一部は神とまで崇め始めている。

 

現代に生きる垢嘗は、必ず掃除を勧める。

 

垢とは先にも述べた通り、心の穢れや煩悩、生きるうえで余分なモノを表す。これらを無くすための簡単な方法は「掃除」だからだ。

 

掃除をすることで掃除に集中し余計なことは感が無くなり、掃除をすれば身の回りが綺麗になることで心に溜まる垢も無くなっていくからだ。

 

副次効果として、生活の場を清潔にすることで心霊現象なども防げる、と垢嘗氏は語る。

 

垢嘗のカウンセリングを受けたいと思う人はたくさんいるが、妖怪垢嘗は神出鬼没、心の垢の溜まり具合がいい塩梅のそろそろ覚悟を決めちゃいそうな人間の前にだけ現れる。

 

ちなみに何故現代になって垢を舐めること辞めカウンセリングで食べているかというと、現代の風呂場は抗菌コートが利いていて掃除をさぼっても垢が溜まる事が少なく、自分好みの垢が出来難いからだという。

 

 

 

※全て嘘で全て偽