【オカルト】山にまつわる怖い話①山の修道院

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ある山の中腹に、ひっそりと佇む小さな村があった。

その村では、何時建ったのか分からない位に古くからある修道院にまつわる話が伝わっていた。

ある夜、若者たちが仲間うちでキャンプに行くことになり、あまり光の無い山を求めて調べるとちょうどよい場所としてその村の山が挙がった。

数週間後、村を経由して食料を買い込むときに廃修道院の話を聞かされた。

月明かりの下でキャンプファイヤーを囲んでいると、話題は自然や身の上話の楽しいものだったが、誰かが村の商店で聞いた不気味な話をしだした。

村の伝承によれば、この山には古い修道院があったと言われ、修道院はある日突然、人が居なくなり、その後、誰も居ないのに視線を感じたり、村の人でも見たことのない修道服を着た女性が山中をさまようようになったと言っていた。

そして、その者たちは月の満ち欠けに合わせて、修道院の跡地を巡っているのでは、との事。

修道院を見つけても決して立ち入るな、人を見つけても話しかけるなと忠告されたとのことだった。

若者たちは興味津々で、その話を聞いたが、皆はただの噂だろうと笑っていた。

目的はキャンプを楽しむことだったので、誰も廃修道院に行こうとも言わなかったので、そのまま寝てしまった。

しかし、その夜、彼らは不気味な現象に遭遇することになる。

テントの周りを何かを唱えながら歩く足跡と絹連れの音を感じたのだ。

恐る恐る表を見てみると、ろうそくのランプを持ったボロボロの修道服をまとった女性が、テントから少し離れた場所を一直線に山頂に向かって歩いていたのだ。

月が高く輝く中、それを見た彼らは恐怖するも、わずかな好奇心から女性の後を追ってしまった。

途中で、木々の間から視線を感じると生気のない顔をした老婆や老人、成人男性がコチラを見ていることが解る。

また、木々の間から人影が見えたり、不気味な音が聞こえたりしたが、自分たちが進んでいる後を追ってきていると感じ、戻ることも出来ないまま進んでいった。

修道院の跡地に到着すると、彼らは何か違和感を覚えた。

風も無いのに、ツタがまとわりつき荒廃した修道院の扉がひとりでに開き、中に入るように促された感じがしたからだ。

足を進め建物内に入ると、割れた天井から急に暗闇に包まれ、目の前が真っ暗になった。

どう見ても生きている人間ではない存在が修道院の中を徘徊し、不気味な声で神をたたえる言葉を唱えているようだった。

若者たちは恐怖におびえ、叫び声を上げながら逃げ出そうとしたが、入ってきた扉は固く閉ざされ、建物は彼らを閉じ込め開けることが出来なかった。

また、窓から逃げようとした若者は見えない手によって足をつかまれて、引き釣り落とされるありさまだった。

絶望の中、彼らは恐怖し動けなくなり一塊になって震えていると、徘徊する存在は若者たちの周りを回り始めブツブツと何かを唱え続けた。

次第に空が白みだし、太陽の光が廃修道院に差し込み始めると、周囲を回っていた存在は光に当たった場所から見えなくなっていった。

全ての存在が見えなくなると、閉ざされていたはずの扉は開け放たれていて、そこから彼らはに外に逃げ出すことが出来た。

しかし、若者数名は眼がうつろになり、回っていた存在が唱えていた言葉をずっと唱え続け正気に戻ることは無く、ほどなく病院に入院することとなった。

それからその者とは疎遠になったが、風の噂で病院から居なくなったらしいと聞いた。

きっと彼らは廃修道院に戻ったのだと直感した。

 

 

※全て嘘で全て偽